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アトピーの部位別症状の特徴と対策

アトピー性皮膚炎(アトピー)の湿疹は、身体中のすべての部位にどこにでも生じる可能性がありますが、部位によって症状の出方や悪化しやすい要因が異なります。また、年齢問わず共通する点がありますが、乳幼児と大人では対策が異なる場合もあります。

アトピー症状の出現部位は、単なるアレルギー反応だけでなく、皮膚を支配する神経系の機能異常も関係している可能性があります。デルマトーム(皮膚分節)の図が示すように、皮膚の感覚は神経系により支配されており、その分布パターンがアトピー症状の出現にも影響を与えていると当院では考えています。

特に皮膚症状が出現しやすい部位としては、顔面(目の周り、眉毛、おでこ、唇・口周り)、耳(耳たぶ・耳の付け根の「耳切れ」)、頭皮(頭・髪の生え際)、首(頚部)、手(手首・手のひら・指先)、脇の下(腋窩部)、体幹部(背中・お腹・胸)、足(脚全体・足首・膝・膝裏)などが挙げられます。それぞれの部位で特徴的な症状が現れ、日常生活の中での様々な刺激や環境因子が悪化の要因となります。適切なスキンケアと治療を組み合わせることで、症状のコントロールが可能です。

以下、各部位ごとの症状の特徴、悪化要因、そして対策について詳しく解説していきます。

アトピー症状と神経系の機能異常との関係

顔のアトピーの症状と対策

唇・口周り

口唇や口周囲は、アトピー性皮膚炎(アトピー)の症状が出やすい部位です。唇の皮膚は皮脂腺がないため乾燥しやすく、食べ物や舐める癖などの刺激も受けやすくなります。特に、子どもが唇を舐める癖があると、「舌なめずり皮膚炎」が生じます。慢性的な炎症で唇がガサガサになり、色素沈着や口角炎も起こりやすくなります。
唇・口周りのアトピー症状は、舐める、こする刺激や食べ物の接触が主な悪化要因です。酸味や塩分の強い食べ物、香料入りリップクリーム、口紅や歯磨き粉なども刺激になります。冬場の乾燥や夏場の紫外線でも、唇は荒れやすくなります。
対策としては、舐めない、清潔を保つ、すぐに保湿することが基本になります。スキンケアとしては、ワセリンやアズノール軟膏などで頻繁に保湿し、リップクリームは無香料・無添加の敏感肌用を選びましょう。炎症が強い時は弱めのステロイド外用薬も効果的です。食後は、口周りを優しく洗い、外出時はUVカット効果のあるリップクリームを使用しましょう。口周りは目立つ部分になるので、早めの治療が大切です。

耳(耳たぶ・耳の付け根の耳切れなど)

耳のまわりもアトピー性皮膚炎(アトピー)で特徴的な症状が出る部位です。特に「耳切れ」と呼ばれる症状では、耳たぶの付け根が切れ裂けるようになります。耳の付け根が赤くただれて亀裂が生じ、リンパ液や痂皮(かさぶた)ができます。耳たぶや耳介全体が乾燥して皮がむけたり腫れ上がり、慢性化すると厚くゴワついたりします。
耳切れは、乾燥と刺激、感染が主な原因です。アトピーそのものの悪化でも耳切れがひどくなることがります。耳の付け根は皮脂腺が少なく乾燥しやすく、耳垢や汗、シャンプーの洗い残しがたまりやすなりやすい部位です。石鹸の残留や髪の接触も刺激になります。汚れや洗いの残しがあると、細菌感染しやすく、触って掻き壊すことで悪化してしまいます。
耳周りのケアは、清潔に洗浄、保湿、保護、が基本です。入浴時に丁寧に洗い、すぐに保湿剤を塗ります。耳切れには、ステロイドやタクロリムス軟膏を塗り、ワセリンで保護します。就寝時は軟膏を塗った後、ラップで覆うと効果的です。膿や痛みがある場合は、感染が疑われるため抗生剤による治療が必要になります。

目の周り(眼瞼部)

目の周囲の皮膚は薄くデリケートなため、アトピー性皮膚炎(アトピー)の影響が出やすい部位です。上下まぶたが赤く腫れ、乾燥による粉ふきや皮むけが起こり、強い痒みを伴うこともあります。目をこする癖があると色素沈着が生じ、目の周りが黒ずみます。また擦りすぎると、角膜に傷ができたり、白内障になったり、網膜剥離の原因となるため、気をつけましょう。顔のアトピーを長期間患うと、眉毛外側の脱毛も起きてくることがあります。目の周りの炎症を放置すると、皮膚が厚くなり、二重の変化や眼瞼炎、結膜炎も併発します。
目の周りの炎症が起きる悪化要因は、アトピーによる痒みにより目を擦る行為で、アレルギーやメイク製品も刺激になります。対策として大切なのは、「擦らない」ことです。冷却や点眼薬で痒みを抑え、低刺激の洗顔料で優しく洗い、すぐに保湿します。症状がある間は、メイクを控え、タクロリムス軟膏が第一選択薬です。炎症が治らないときは、皮膚が薄いん部位であるためステロイドは顔にも使える弱いものを短期間のみ使用します。

おでこ(額)

額は乳児期に湿疹が出やすく、成長につれ減少しますが、汗をかきやすい部位のため大人でもアトピー性皮膚炎(アトピー)の湿疹ができることがあります。乾燥による皮むけと赤みが主体で、前髪の当たる部分にブツブツとした湿疹ができることもあります。比較的治りやすい部位ですが、掻き癖があると、炎症が慢性的になり色素沈着することもあります。
悪化要因は、汗と髪の刺激、整髪料の残留、帽子による蒸れなどです。対策は、清潔と保湿が基本で、汗をかいたらすぐに洗顔し、シャンプー剤は洗い残しがないように、しっかりすすぎます。前髪は上げて蒸れないようにし、洗顔後は髪の生え際まで丁寧に保湿します。湿疹にはステロイド外用薬を使用して炎症を抑えていきます。症状が治ったらタムロリムス軟膏やコレクチム軟膏に切り替えていくと良いでしょう。

眉毛

眉毛の生え際や眉間も、アトピー性皮膚炎(アトピー)で症状が出やすい部分です。乳児期には黄色いフケやかさぶたがこびりつき、慢性的な炎症により眉毛外側の脱毛(ヘルトゲ徴候)が特徴的です。眉の皮膚も、赤くなったり皮むけが起きていきます。
悪化要因は、慢性的な炎症と掻き壊し、触る癖、洗顔不足による毛包炎などです。対策としては目の周りや額を含めた顔全体のアトピー症状を治療することが大切になります。洗顔時は、眉毛を優しく洗い、保湿剤は地肌にもしっかり塗ります。皮膚の炎症を抑えることができれば、数ヶ月で眉毛の脱毛は回復していくことが多いです。過度な洗顔や摩擦を避け、適切な保湿と医師の外用薬で炎症を抑えることが大切になります。

【当院の考え】

顔の感覚は、主に三叉神経(V1~V3)や頚椎の上位頚神経(C2~C3)などによる支配を受けています、頭頚部の骨格アライメント異常による神経圧迫や血行不良が引き起こされ、猛烈な痒みや湿疹、色素沈着を長引かせる要因となると考えています。デスクワークによる悪い姿勢で首こりや首の緊張が強くなると、顔の症状が悪化しやすくなります。また睡眠不足やストレスにより症状がひどくなることがあります。当院では、骨格アライメント治療により、頭頚部の神経機能を整え、皮膚のバリア機能を回復させることで、薬だけでは治りにくい頑固な顔のアトピー症状の改善を目指していきます。

顔、後頭部、首の症状と神経支配との関係

頭皮(頭・髪の生え際)のアトピー症状と対策

症状の特徴

頭皮はアトピー性皮膚炎(アトピー)において強いかゆみや乾燥、落屑(フケ)が現れやすい部位です。特に後頭部から首の生え際、耳周り、こめかみ付近は湿疹ができやすく、強いかゆみを伴います。女性の場合は前髪の生え際が乾燥して皮が剥けたり、症状が悪化すると抜け毛が増えることもあります。長期間にわたって炎症が続くと、毛穴が詰まり細い毛しか生えなくなったり、部分的に脱毛することもあります。通常は炎症が治まりアトピーの調子が上向いていくと、髪の毛は丈夫になり再生していきます。

悪化要因

頭皮のアトピーを悪化させる要因はさまざまです。夏場は汗による蒸れ、冬場は乾燥により、一年中負担がかかります。シャンプーやリンスなどの頭髪ケアの方法も重要で、爪を立ててゴシゴシ洗うと頭皮を傷つけ、細菌感染の原因になります。逆に洗い残しがあると真菌が増殖し、フケやかゆみを悪化させます。洗浄力の強いシャンプー、リンスやトリートメントの流し残し、整髪料の使用も刺激となります。また、無意識に頭を掻く癖があると頭皮に傷がつき、出血や湿疹の悪化を招きます。精神的ストレスや過労でかゆみが増し、睡眠が妨げられる悪循環に陥ることもあります。

スキンケア・対策

対策としては、まず低刺激のアミノ酸系シャンプーを選びましょう。洗髪は基本的に1日1回で十分です。洗う際は爪を立てずに指の腹で優しく揉むように行い、リンスは髪の毛だけにつけて頭皮には残さないようにします。洗い残しがないよう、しっかり洗い流しましょう。洗髪後はすぐに頭皮用の保湿ローションを塗布し、ドライヤーは近づけすぎず冷風で乾かすと良いでしょう。
頭に触れる枕カバーや帽子は清潔に保ち、爪は短く切っておくことも大切です。かゆみが強い場合は、就寝前に抗アレルギー薬を服用したり、手袋をして寝るなどの工夫も有効です。湿疹が強い時はステロイドローションを使用し、脂漏性皮膚炎を併発している場合は抗真菌のシャンプーやローションを併用することもあります。屋外では紫外線対策として、通気性の良い帽子をかぶるか日傘を使用し、十分な睡眠とリラックスする時間を持つことで、かゆみを軽減させましょう。正しいケアを継続することで、フケやかゆみを減らし、健康な頭皮を維持することができます。

【当院の考え】

頭皮は前頭部を中心に三叉神経、後頭・側頭部を中心に上位頚神経(C2)の支配を受けています。頭蓋骨や首の骨格アライメントが乱れると、神経機能が悪化しや血行が阻害され、慢性的な落屑(フケ)や痒みを悪化させる要因になると考えています。悪い姿勢、長時間のスマホ、過労やストレスなども悪化するきっかけとなります。当院では、骨格アライメント治療により、頭部・首の骨格の歪みを治し、頭皮の神経の働きや血流を整えることで、アトピー症状の改善を目指していきます。

首(頚部)のアトピー症状と対策

症状の特徴

首は、アトピー性皮膚炎(アトピー)で症状が起きやすい部位のひとつです。乳児ではあご下~首にかけてじゅくじゅくした赤い湿疹が出やすく、よだれやミルクでかぶれて悪化します。幼児期以降は、首の周り全体が乾燥してガサガサになり、掻き壊しにより慢性的な炎症が起き、苔癬化や色素沈着が生じることも多いです。特に、首のシワに沿って黒ずんだ色素沈着が生じるのはアトピー性皮膚炎の特徴で、慢性的な炎症のサインになります。痒みも強く、無意識にうなじ(後頚部)を掻きむしり、皮膚が厚くなっていきます。衣類の襟(えり)が当たるため、刺激となり後頚部や首の側面には湿疹ができやすくなります。夏場には、汗による刺激でブツブツした湿疹ができ、掻き壊すと感染を併発しやすくなります。

悪化要因

洋服の摩擦などの擦れる刺激、汗、乾燥が主な悪化要因になります。首は汗をかきやすく、襟や髪の毛が触れるため、常に刺激にさらされています。夏場は汗、冬場はマフラーやタートルネックの毛繊維が刺激となります。寝ている間も、首は布団や枕で蒸れやすく、洋服のタグが当たると痒くなりがちです。紫外線も、首の湿疹を悪化させる要因になります。

スキンケアと対策

汗対策、汚れを落とし清潔に保ち、保湿することが基本です。夏は汗をかいたらシャワーを浴びるなどし、皮膚を清潔に保ちます。石鹸やボディソープは1日1回で十分です。入浴後や汗を拭いた後には、必ず保湿剤を首全体に塗りましょう。特に耳の後ろから顎下にかけては見落としがちなので丁寧に塗布します。痒みが強い時は、冷やしたタオルで軽く冷やすと一時的に楽になります。爪は短く切り、就寝時に首を掻いてしまう人は、包帯や柔らかい綿のスカーフをゆるく巻いておくと掻き壊しを防ぎやすくなります。湿疹がひどい場合は、首の皮膚は薄く薬の吸収が良いので、適切な強さのステロイド外用剤などを塗って炎症を抑えていきます。色素沈着が気になる場合も、まずは炎症をきちんと治すことが大切です。衣類は襟のないものを選ぶか、綿のガーゼやハンカチを襟元に挟んで直接肌に触れないようにすると良いでしょう。室温も高すぎず低すぎず、適温を保つことも重要です。

【当院の考え】

首のアトピー症状は、頚椎C3~C4領域の神経機能の異常に起因すると考えています。神経の異常興奮により強い痒みが生じ、血行不良が炎症を助長すると考えられます。当院では骨格アライメント治療により頚椎の位置ズレを整え、筋緊張を緩和し、神経への圧迫を解放することで、体の中から込み上げる痒みや湿疹の改善を目指します。神経系の働きが正常化し、皮膚のバリア機能が回復していくと、アトピー症状がだんだんと治っていきます。

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手(手首・手のひら・手の甲・指先)のアトピー症状と対策

症状の特徴

手湿疹(手荒れ)は、大人のアトピー性皮膚炎(アトピー)で起こりやすく、治りにくいため悩みの原因となります。アトピー肌は乾燥してバリア機能が低下しているため、水仕事や石鹸洗い、アルコール消毒などの刺激で湿疹が生じます。症状としては、手のひらや指先がカサカサに乾燥して皮がむけたり、手ひらや指先に小さな水ぶくれができて痒くなります。進行すると指先や指の腹にひび割れ(亀裂)ができ、痛みを伴うこともあります。手首から手の甲、指の関節の背側にも湿疹が出やすく、皮膚がボロボロ剥けて指紋が薄くなったり、角質が厚く硬くなることもあります。乳幼児では指しゃぶりや手をなめる癖で悪化し、大人では水仕事や手を使う仕事(調理師、看護師、美容師など)をする人に多発し、アトピー体質の方は特に重症化しやすい傾向があります。

悪化要因

手は、水、洗剤や石鹸、シャンプー、アルコール消毒、紙や布の摩擦、寒冷刺激などさまざまな刺激にさらされています。特に洗剤や石鹸により、手の脂が落とされる(脱脂)ことは大きな原因となります。冬は気温低下による血行不良で乾燥が進み、指先が割れやすくなります。夏もエアコンや頻繁な手洗いで悪化しやすく、手湿疹が悪くなる要因は一年中あります。手は常に使うため、治りかけてもまた使って悪化を繰り返しがちです。アトピー体質ではアレルゲンが手につくことも刺激となり、手湿疹が悪化する場合もあります。

スキンケア・対策

手への刺激を減らし、保湿して皮膚を保護することが基本です。水や洗剤を使うときはゴム手袋を着用し、直接ゴムでかぶれる場合は下に綿の手袋を二重にします。食器洗い乾燥機などで水仕事を減らすのも有効です。手洗いは必要以上に増やさず、アルコール消毒液は避け、低刺激の石鹸とぬるま湯を使います。洗った後はすぐに保湿剤(ハンドクリームやワセリン)を塗って保護します。外出時も小さなハンドクリームを携帯し、手洗いごとに塗りましょう。就寝前には、保湿クリーム(尿素配合やヘパリン類似物質クリームなど)を塗り、綿手袋をして寝ると効果的です。湿疹やひび割れが酷い場合はステロイド軟膏を塗布し、必要に応じて「密封療法」を行うとよいでしょう。指先の深い割れには、キズパワーパッドのようなハイドロコロイド製剤(創傷被覆剤)を使用するのもよいでしょう。手湿疹は治るまでに時間がかかりますが、刺激を減らしながらスキンケアで肌を保護していくと徐々に改善します。根気よく取り組みましょう。

【当院の考え】

手のアトピー症状は、腕神経叢(C6~T1)領域の神経機能の乱れと血液循環不良が関係しています。猫背や悪姿勢で、手を使う作業によりこの神経は障害を受けやすくなります。骨格アライメント治療により、手や手首を支配する神経への過度な圧迫が解放され機能が回復すると、血液循環が改善し、皮膚バリア機能が回復していきます。当院では、骨格アライメントからアプローチし、しつこい手湿疹の改善を目指します。

手と指の症状と神経支配との関係

脇の下(腋窩部)のアトピー症状と対策

症状の特徴

脇の下は汗腺が集中する部位で、アトピー性皮膚炎(アトピー)でも湿疹が出やすい部分の一つです。乳児期~幼児期には、首や肘と並んで湿疹の好発部位であり、赤くただれたり、黒ずんで厚くなったりします。左右対称に発疹が現れることが多く、掻くと容易に出血します。思春期以降は一旦症状が落ち着く傾向にありますが、汗をかきやすい夏場に再燃するケースが多いです。脇の下が常に掻き壊されて色素沈着し、くすんで見えてしまう方もいます。酷いときには皮膚がゴワゴワに苔癬化し、厚く肥厚し、しこりのようになることもあります。摩擦や汗のせいで真菌症(カンジダなど)を併発することもあります。

悪化要因

汗、蒸れ、摩擦が悪化の要因となります。脇は、常に皮膚がこすれ合い、衣服との摩擦もあります。汗腺が多く大量の汗をかくので、放置すると蒸れて、細菌が増殖し炎症が悪化してしまいます。制汗剤やデオドラントスプレーも刺激になることがあり、化学繊維やウール素材の衣類も痒みを引き起こすことがあります。女性は、ブラジャーの脇部分のゴムやワイヤーが当たってかぶれることもあります。また、脇の下は見えづらいので清潔に洗浄しにくいため、垢が溜まりやすくなり、悪化の要因となります。

スキンケア・対策

脇の下はとにかく清潔に保ち、蒸らさず乾燥を保つことが重要です。入浴時に石鹸やボディソープの泡を優しく洗い、しっかりすすぎます。入浴後や汗をかいた後は速やかに保湿します。脇はベタつきやすいので、化粧水か、さらっとした乳液タイプの保湿剤が向いています。痒みや赤みがある場合は、ステロイド外用剤を塗りますが、脇は皮膚が薄く吸収が良いため強すぎる薬は避けた方がよく、軟膏よりクリームの方が塗りやすいでしょう。日中は汗をかいたらこまめに拭き取ることが大切です。衣類は、通気性があり吸湿性の高い綿素材を選びます。制汗剤やデオドラントはできれば使わず、使う場合もアルコールフリー、無香料の敏感肌用を少量だけにしましょう。就寝時は脇が蒸れないようにして寝るようにすると良いでしょう。カンジダなど真菌感染が疑われる場合は抗真菌外用剤を併用します。脇の下は汗をかきやすい人ほど、湿疹が残りがちですが、汗のケア次第で大きく改善が期待できる部位になりますので、スポーツの後や暑い日の外出後などはシャワーを浴びる習慣をつけ、常に清潔を心がけましょう。

【当院の考え】

脇の下は、主に第2胸椎をはじめとする上位胸椎由来の神経による支配を受けています。胸郭や肩甲帯の歪みや位置ズレによる神経圧迫や血行不良により、痒みや湿疹が悪化する要因となると考えています。当院では、骨格アライメント治療により、胸椎・肩甲骨周りのアライメントを整え、脇周辺を支配する神経機能を回復させ、血流を改善することで、頑固な炎症や蒸れによる痒みと湿疹を軽減させていきます。

背中・お腹・胸(体幹部)のアトピー症状と対策

症状の特徴

体幹は、アトピー性皮膚炎(アトピー)の全身症状がひどい場合に湿疹が現れてきます。乳児期には頭や顔から始まった湿疹が体や手足へ広がり、お腹や背中にも赤い湿疹が出ることがあります。特に背中は寝た姿勢で蒸れやすく、湿疹が広がりやすい部位です。幼児~学童期には、体幹部の湿疹は目立たなくなりますが、乾燥によるザラザラ(さめ肌)が主体になることもあります。思春期以降、再び体幹、特に胸・背中に湿疹が出やすくなります。首から上背部にある湿疹が連なり、腹部に小さな丘疹がたくさんできて痒くなるケースもあります。腰のベルトラインや下着のゴム部に沿って湿疹が悪化することもあります。胸元は大人のアトピーでは赤くなりやすく、色素沈着もしやすいです。

悪化要因

体幹部の湿疹の悪化の要因は、主に汗、衣類、ダニ(寝具)などです。胸や背中は汗腺が多く、特に背中は自分では拭きにくいため、汗が残って湿疹が悪化しがちです。寝汗も要注意です。お腹周りはベルトや下着のゴムで慢性的に締め付けられ摩擦が起きています。ズボンのボタンやバックルの金属アレルギーもあります。衣類の素材や洗剤の洗いのこしも影響し、ウールのチクチクや化学繊維のゴワゴワで痒みが増したり、洗濯洗剤や柔軟剤の残留によりかぶれることもあります。布団のダニも、背中や胸の湿疹を悪化させる原因になります。

スキンケア・対策

体幹部は範囲が広いため、全身の管理の一環として捉えることが大切です。汗対策としては、夏は背中に汗取りパッドやガーゼを入れてこまめに交換し、運動後はシャワーで流します。寝汗対策には寝具にタオルを敷き、適切な室温とし、湿度管理を行います。衣類は刺激の少ない天然素材(綿、シルク、麻など)を選び、洗濯洗剤は無香料で残留しにくいものを少量使い、すすぎをしっかり行います。保湿ケアはお風呂上がりに全身に行い、背中など塗りにくい部位も家族に手伝ってもらうか、保湿スプレーを使うなどして隅々まで保湿するとよいでしょう。湿疹にはステロイド外用薬を塗りますが、塗り忘れがないよう工夫が必要です。ダニ対策として寝具カバーを防ダニ品にする、週1回以上のリネン交換、掃除機がけをこまめに行うと改善する例もあります。金属アレルギーが疑われる場合は、ベルトを革製に変えるか、金属部分に布を付けて直接触れないようにします。体幹部は見えにくいため改善の実感が湧きにくいですが、衣服で隠せる部分でもあります。焦らず根気よくスキンケアを続け、生活習慣や環境整備も含めて全身的に管理していきましょう。

【当院の考え】

体幹部は、胸椎・腰椎由来の神経(T2~L1など)により支配されています。背骨の歪みや肋骨の可動制限が神経機能の働きを低下させ、血流を妨げ、広範な湿疹や強い痒みの原因につながると考えています。当院では、脊柱や骨盤のアライメントを整え、神経伝達や代謝を改善することで、背中や胸・お腹周りのアトピー症状の改善を目指していきます。

足(脚全体・足首・膝・膝裏など)のアトピー症状と対策

症状の特徴

下肢はアトピー性皮膚炎(アトピー)の湿疹が出やすい部位の一つです。幼児期~学童期では特に膝の裏や膝頭、足首周りに湿疹ができやすくなります。膝裏はざらざらした赤い湿疹が慢性化し、掻くことで苔癬化や色素沈着が起こりやすくなります。足首も、前面と側面がカサカサになり、靴下のゴム跡に沿って悪化することがあります。重症例では太ももやふくらはぎにも湿疹が広がります。繰り返し掻き壊すと、すねや太ももに豆粒大の硬いしこり(結節性痒疹)ができることもあります。足の裏には汗疱と呼ばれる小水疱ができることがあり、アトピー体質だと長引きやすい傾向があります。

悪化要因

下肢の湿疹の主な悪化の因子は、乾燥、衣類による刺激、掻き壊しです。膝裏はズボンやタイツの繊維が擦れることで痒みが増します。冬場は衣類の刺激で、夏場は汗で蒸れて悪化しやすくなります。靴下のゴムも足首の湿疹を悪化させます。すねは、空気の乾燥に加え、入浴時の強い洗浄や摩擦が悪化の原因になることもあります。無意識の掻きこわしてしまうことも悪化の要因となり、特に勉強中や就寝中に掻いてしまうことが多いです。ダニやハウスダストのアレルギーがある人は、布団に触れる足の外側が特に痒くなることもあります。

スキンケア・対策

衣類の工夫と十分な保湿が基本です。肌に直接触れる衣類は柔らかい綿素材やシルクなどを選び、化学繊維は避けましょう。膝裏の汗は痒みの原因になるので、夏場はこまめに拭き取りましょう。子どもが遊んで汗をかいたら、シャワーで流すか着替えさせます。入浴時は膝やすねを石鹸でゴシゴシ洗わず、お湯で流す程度かボディソープの泡で優しく洗います。入浴後はワセリンやヒルドイド、尿素配合クリームなどで下腿前面と膝裏を入念に保湿します。湿疹部分に薬を塗り、必要に応じて包帯やサポーターで覆うと効果的です。足首は、靴下のゴムが当たらないよう、ゆるい靴下やフットカバーを使用します。足の裏の角質が厚くなってしまっている場合は、尿素やサリチル酸ワセリンなどで柔らかくするフットケアも有効です。水虫など他の足トラブルが疑われる場合はその治療も並行して行いましょう。足の湿疹は目立ちにくいためケアを怠りがちですが、悪化すると歩行痛など日常生活に支障が出るので、しっかりケアすることが大切です。

【当院の考え】

足のアトピー症状は、腰仙髄神経(L2~S2)の支配領域と関連しています。骨盤や腰椎の歪みによる神経機能の異常や血液循環の不良により、痒みが増悪し、湿疹が悪化していくと考えています。足を組んだり、悪姿勢での座り癖も悪化の要因となります。当院では、骨格アライメント治療により下肢の神経機能と血液循環を正常化し、膝裏や足首の頑固な皮膚炎を改善へ導きます。皮膚バリア機能が回復していき、掻き負けない丈夫な肌を目指していきます。


住所:東京都中央区京橋1-6-11 カンケン京橋ビル2F
FAX:03-3563-0578
MAIL:info@hosono-clinic.com
診療科:皮膚科、内科、整形外科
院長:細野周作
<提携病院>
聖路加国際病院/東京医科歯科大学付属病院/虎ノ門病院/東京都済生会中央病院/井出デンタルクリニック/伊藤メディカルクリニック

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